「んん……」
「目ぇ覚めたか?」
夢心地のような微睡んだ感覚から、意識が現実に浮上して身動ぐと、近くから声が聞こえた。
「んー……」
聞いて来た声に答えるように唸ると、首が痛いことに気付く。
ここ、どこだっけ?
何やってたんだったか?
「ちょっと寝過ぎじゃない?」
「大丈夫ー?」
あぁなんだ。
リンと馨もいんのか。
──あぁ、そうだ。
亮平ん家で練習してて、休憩を挟んだんだった。
ギターを抱えて寝ていたらしい俺は、寝違いで傷んだ首を解しながら周りを見渡すと、見慣れた部屋が視界に映りこんできた。
スタジオのようなセットに、離れたところにはソファやテーブルもあって。
下に学校のカバンや楽器を入れるケースが散らかっている。