思い詰めないよう声を掛けようと口を開くと、奏音は盛大な溜め息をついて、真剣な顔つきで言った
「サンキューな。正直、助かった」
睨みつけるような視線で、頬を赤めながら目を見て言うその反応は可愛くて。意外だった。
一瞬、言葉をなく私。
「おい、何か言えよ」
「うん!」
良かった。
余計なことじゃなかったみたい。
奏音の件はこれで解決と云うことで。
気を取り直して、私たちは打ち上げ花火が終わるまで夏祭りを堪能した。
「じゃぁ三日後ね」
「あぁ。頼む」
帰り道で奏音と馨と話して、あと二日は馨の家に泊めさせてもらうつことになって。
その日はみんなと別れた。
「ただいまー」
「おかえり。話してもらうぞ」
家に帰るとお兄ちゃんが待っていて、今まで話してなかった友達のことやライブのことを話し聞かせた。