「…うんっ!ありがとう凪くん…」


1人、テーブルの方へ向かった凪くんは、開いたままのワークを眺める。


「苦手なのは…理数系?」


「う、うん、」


「おいで」


手招きされて、私はすぐに凪くんの隣に向かう。


「ここは簡単な解き方があるんだ」


私が何度、頭をフル回転させても、途中までしか分からなかった数学の問題を指差す凪くん。


その後、何も書かれていないルーズリーフに綺麗な字でスラスラと解き方を書いてくれる。


「これなら解く工程も少なくて楽だと思うよ」


「な、ぎ…くん、天才だね…」


先生みたいだ…


「でも、これって、凪くんが頑張って見つけたやり方だよね……??いいのかな、こんなに簡単に教えてもらって…」


そんなことを言う私に、凪くんはふっと口角を上げる。


「全然大丈夫」


「そ、っか、ありがとう…」


私を捉える凪くんの瞳に、熱がこもってるように感じたのは気のせい…?