(雨も雷も君がいれば)


6月中旬、梅雨の時期ということもあり、外は朝から雨が降っていた。


日曜日なのだけど、雨がすごくて外には出られない。


「止まないね…雨」


「そうだね」


雨が降っている影響で気温が下がっていたこともあり、凪くんは『はい、妃奈』と私にホットココアを渡してくれる。


「おいし……」


「良かった」


凪くんがココアを作ってくれている間、少しだけ進めていたテスト勉強。


リビングのテーブルに散乱した教科書やワークを見て、私は思いっきり右手を挙げた。


「凪くん!」


「ん?」


「あの、勉強を……教えていただけませんか、?」


転校してきて最初の中間テストで学年1年を取った凪くん。しかも満点で……


勉強が得意とは言えない私は、凪くんにすがるような思いだった。


「もちろん、一緒にやろうか」