「へっ、」


確かに……私いろんなところが鈍いって言われてきたけど…


今、何か鈍いことあった??


なんかやらかしちゃったかな?


凪くんに不快な思いをさせちゃったなら、ちゃんと謝ろう、そう考えていた私。


それを見て凪くんは、さっきと同じように私の肩に顔をうずめた。


「凪くん?」


「早く気づいて」


「わ、私がいろいろ鈍いことなら気づいてるよ?」


「そうじゃない」


少しだけ寂しそうな凪くんの声色。


そんな声を聞くとなんだか苦しい。


「ごめんね、凪くん。私ほんとバカで…今何かできることあるかな?」


「………じゃあ、もう他の男のこと、かっこいいとか言うのダメ。」


あ、確かに!あんまり軽々しくかっこいいとか言わない方がいいよね、凪くんはそれを教えてくれたのか!


うんうん、さすが凪くん!優しい!


「なんで笑ってんの、妃奈」


「なんか嬉しくてっ!」






────そのあと、私をじーっと見つめた凪くんは、長い時間、私を離してはくれなかった。