(甘えたがりな凪くん)


「ただいま〜」


家に帰った瞬間、抱きついてくる凪くん。


んー、これで何回目だろう。


いつもすっごくかっこいいのに、こういう時は可愛いから…どうしても受け入れちゃうんだよね。


「おいで」


「うん」


どうしたんだろう、いつもは何故か拳をぎゅっと握った後、「あとでね」と私を解放するのに……


今日はリビングに連れて行かれる。


先にソファーに座った凪くんの横、少し離れた場所に私も腰を下ろす。


「なんでそんなとこにいるの」


「ん?なんで?」


あ、ソファーに座らない方が良かったかな…


じゃあ床に……


1人で頷いて、滑るように床に座り込む。


「妃奈!」


すると、すぐに焦ったように立ち上がった凪くん。


そしてそのまま軽々と私を抱えて、お腹に手を回した。


急に浮いた体に、困惑する。


「きゃっ、」


「なぎ、く…」


そのままソファーに戻ったから…私は……必然的に凪くんの上に座る形になる。