光莉が思いっきり私を抱きしめてくれた後ろで舜くんは固まっている。


「…マジか…」


「え?」


「思ってたより早かったな」


私と凪くんが付き合うのはもう少し先だって思ってたのかな…??


でもなんで…?


「お前ら2人、すれ違ってばっかりだろ?だから、もう1回ぐらい妃奈が俺に泣きついてくれるの期待してた」


「舜くん、それっていいことなのか悪いことなのか…」


『分からないよ』そう言う前に、舜くんは私の方に近づき、無造作に頭を撫でた。


撫でるというか、髪の毛乱された感じだけど…


「あの、舜くん?」


「妃奈」


「ん?」


「おめでと」


あ、、そっか。祝福してくれたんだ。


私が言える立場じゃないけど、舜くんはきっと辛いはずなのに……


こんなに笑顔で付き合った報告をされて嬉しいわけがないのに…