もう、今しかない。


そう思って出した声は、


「あのっ、」


緊張のあまり少し裏返ってしまった。


「どうした?妃奈」


「…わ、たし……」


どうしよう、やっぱり心臓の音がおかしい。


こんなに緊張するものなの…??


でも、、それでもちゃんと言いたいから…






「凪くんのこと、、男の子として…好きです」






気づけば私は、誰の顔も見ることが出来ないまま、そう言葉にしていた。



言えた!!


そう思ったのに、一気にシーン……と静まり返る部屋。


やっぱり失敗した!?


と焦って顔を上げれば……凪くんが私の手を取って立ち上がった。


へ、、どういうこと…


あ、もしかして凪くんを怒らせちゃった、!?


「なぎ、く…」


確かめようとしたけれど…それは凪くんによって遮られてしまった。





「失礼します」


凛々しい表情で両親に一礼した凪くんは、私の方を振り返らないまま、私を連れ、部屋を後にした。