(俺以外のはダメ)


翌朝、私は肩にかけたスクールバッグを握りしめ、凪くんのお家の前に立っていた。


勇気を出して、インターホンを押してみる。


だけど、全く反応はないし、なんなら凪くんが家にいるっていう気配すらない。


もう家を出たのかな……


いつもこの時間に2人で通ってたのに……


そう思うと寂しくなってしまったけど、私はすぐに気持ちを立て直して、バス停の方に足を向けた。


今は、昨日の夜よりもっと『凪くんに会いたい』という気持ちでいっぱいだったから。


1日も経ってないのに、凪くんに会いたくて仕方ない。


あの笑顔が見たくてたまらない。


凪くんと仲直り出来たら、また笑ってくれるかな。笑って欲しいな。


なんて、そこまで考えてハッとする。


あはは……もう私、凪くんがいないと生きられないじゃんね笑


もっと焦った方がいいのに、今に似合わない呑気なことを思いながら、1人で学校に向かった。