(想像よりもずっとずっと近くに)


迎えた土曜日。楽しみすぎて全然寝付けなかった私は、明け方になってようやく寝ることができ、そのまま寝坊してしまった。


プラネタリウムはバスで行ける距離にあるんだけど、あと8分後のバスに乗らないと間に合わない。


「ごめんねっ、凪くん」


「焦らないで大丈夫だよ、送迎車呼ぶから。」


ん……??凪くんとんでもない事言ってる…


って、あぁ!それどころじゃないんだった!!


こんな髪の毛の状態で、凪くんの隣に並べるわけがないよっ!


というか並んじゃダメだ!


私はとにかく家中を走り回って、全てにおいて少しでも『マシ』な状態を作ってから、凪くんの元へ向かった。


凪くんは、『ゆっくり待つよ』と、リビングにいてくれたのだ。


「凪くん!お待たせしました!」


「全然待ってないよ。それより…妃奈大丈夫?走り回って、暑くない?」