「妃奈」


「ダメだよっ、凪くん!そういうことを誰にでも言ったらダメ!好きな子だけに伝えてあげて」


うん、そーですね、妃奈さん


だから俺は『妃奈』だけに伝えてるんですけど?


自分がその『好きな子』だっていう考えはないんですかね?


てか、妃奈だって、俺にかっこいいって言ってくれた。好きじゃないのに。



そんなことを考える俺の前には自分の髪の毛を掴みながら、顔を真っ赤にしてプルプル震えている妃奈がいる。


その姿があまりにも天使で、本気で心臓が止まるんじゃないかと思うくらい可愛くて、俺は反射的に妃奈の頭に手を乗せた。


「俺の可愛いは妃奈限定だよ」


「え…??」


ここまで言っても気づかない?


「凪くん?」


あぁ、そんなに透き通った瞳で見つめないで。


何もかも初心で、純粋な、俺の大好きな子。


「ねぇ、妃奈。」


戸惑う妃奈に目線を合わせる。





「妃奈のかっこいいも俺限定ね」