いつまでも変わらぬ君でいて

   ***


「あのさあ。勝手に人の写真、SNSにアップしないでくれる?」

 翌朝、俺は昇降口のところで鮎川さんをつかまえて言った。

「ご、ごめんね。あんまりいい感じで撮れてたからつい……」

「肖像権の侵害。慰謝料請求してもいいんだけど……っていうのは冗談だけど」

「ごめん……なんか迷惑かかっちゃった……ってことだよね?」

 鮎川さんが、おそるおそるといったふうに上目遣いで俺のことを見あげてくる。

「いや、いい。こっちも、勝手に鮎川さんのこと、俺のカノジョだって言っちゃったし。ごめん。立派な名誉棄損だね。ってことで、おあいこだから。でも、写真だけは消しといてくれる?」

「うん。あの……ほんとごめんね」

 鮎川さんが、しゅんとうなだれて言った。