柊哉くんはほっそい目で一瞥すると、また布団に潜り込んでしまった。


「あ、柊哉くん!もう起きないと!時間だよ!」

「……チッ」


どうやら低血圧らしい柊哉くん。
これを見られたくなくていつも頑張って早く起きてたみたいです。


「そろそろ行かないと遅刻しちゃうよ!」


私はめげずに柊哉くんをゆする。

慣れってすごい。舌打ちすら可愛く思えちゃうんだから。

柊哉くんがまた瞼を押し上げて私を見た。


「……ん……巡ちゃん……?」


声が少し柔らかくなった。ようやく覚醒してきたみたい。かわいいなぁ。


「ふふ。うん、巡だよ」

「……」


布団の隙間から柊哉くんがまだかなり眠そうな顔でむくりと起き上がった。

柊哉くんの少しはだけたシャツの隙間から覗く鎖骨が妙にセクシーにうつって、ドキッとしたのは内緒。

すると柊哉くんが少し顔を近づけて、ふにゃ、と笑った。


「……今日もかわいいね」

「へ」


柊哉くんが私の頬に手を添えて小首を傾げた。


「かわいすぎて食っちゃいたい」



ボゴォ……ン!!



あ、心臓が、



ドサッ。



「!?」