「……はぁー……」


また大きなため息を吐いた俺に、勇気が怪訝な顔をする。

「人の顔見てため息つくなよ失礼だな」

失礼とかお前が言う?

「つーかパートナーは?」

さっそく痛いところを突かれて、俺は聞こえるか聞こえないかくらいのちっさい声で答えた。

「…………逃げられた」

勇気が大袈裟に目を大きくさせる。

「まじ?なんで」

「まぁ……色々あって」

「へー」


勇気は自分で聞いときながら興味なさそうに相槌を打ち、改めて俺のことを上から下まで見る。

「つかその格好なに?コスプレ?眼鏡してっけど別に目悪くなかったよな?そもそもお前、地元の高校決まってなかった?」

勇気の質問攻めにげんなりしながらも、そう聞かずにはいられないほど俺が変わりすぎていることも自覚していた。