脳の処理が追い付かずにいる間にも、柊哉くんのきれいな手は坊主の人の頬にどんどん食い込んでいって、坊主の人が柊哉くんの腕を外そうと必死にもがく。

「ぐっ、おい、やめ……っ」

屈強そうな男の人が華奢に見える柊哉くんに弄ばれる姿は異様で、その場にいる誰もが止めに入るどころか少しの身動きもできずに、ただその様子を眺めていた。

「いひゃい!いひゃいです!許してぇ…!!」

坊主の人の言葉に柊哉くんはようやく手を離したけど、今度はそのまま床に投げつけて足蹴にする。

「ゲホ…ッ!」

「……俺がなに?お前の女、寝とったの?」

冷たい目をした柊哉くんは男の人のお腹にドカッと足をのせた。

「うぅっ!!」

「誰がうんこの女なんか寝取るかよバーカ」


……


「ちょ、やべーよあれ……!」「逃げるぞ!!」

カップルや坊主の人をはじめ、そこにいた人たちが全員顔を真っ青にして逃げていく。

柊哉くんは冷たい表情でそれを眺めて舌打ちを投げた。


「クソが」


あれ……あれ…?