「キャラ違いすぎじゃね?」

「でもあの整った顔、絶対そうだよ」

「あたし覚えてる!鴻柊哉の写真、SNSでめっちゃ出回ってたもん~」


この人たち何を言ってるんだろう…?

私の前に立って表情が見えない柊哉くんは、何も言わない。

柊哉くん?はやく人違いですって言わないと勘違いされちゃうよ?


「柊哉く……」


不安になって声をかけようと身を乗り出したその直後、後ろから誰かに腕をグッと引っ張られた。


「っ、!?」


ドン、と背中に誰かの胸がぶつかって、大きな腕が首周りにガシッと巻き付いた。


「はーい鴻くんの女ゲットォ〜」


訳が分からないまま、驚いた表情の柊哉くんと目が合った。


「巡ちゃん!」