リョウとリンは、よくトオルやケンタと四人で遊んだ、小さな公園にやってきた。公園には、小さな砂場に、お城みたいに、先だけ一段高くなっているジャングルジムに、ブランコが二つ。

小さな頃から何一つ変わってない。

リョウとリンの、この曖昧な幼なじみという関係と同なじだ。

「みてみてー」

リンは、初恋をどこかに忘れてきたことも忘れてしまったかのように、既に、ジャングルジムのテッペンまで登っている。

「リョウー早くー」

「ちょ……」

リョウは、思わず、リンから目線を逸らした。ジャングルジムのテッペンに座る、リンのスカートの裾が、風に吹かれるたびに揺れて、白い太ももあたりまでが、見え隠れしていたからだ。

「リン、早く降りてきて」

「やだ。リョウが、きてくれたら降りる」

リンは、小さい頃から、言い出したら聞かないところがある。

この公園で、野良の子猫を拾った時も、リンは、幼いリンに、子猫の世話は無理だと反対する両親に、何度も食い下がって説得し続けた。最後は、子猫と一緒に庭先で寝ると言い出した時は、その時、リンの隣にいたリョウも驚いた。リンは、今も、その猫に、ミケと名前をつけて、毎日同じベッドで眠っている。