生涯好きな人

私が起きると、紺くんが制服を着て朝ごはんを食べていた。
「紺くん……」
昨日1日顔を合わせなかったから、顔を見れて嬉しいけど気まづい。
「俺先出るから」
「え、あ、はい……」
紺くんが出かけるときに発した行ってらっしゃいも、今日は返されることなくバタンと無機質な音だけが部屋に響いた。
シンと静まり返った部屋に1人取り残された私は、朝ごはんを食べる気力も湧かず、髪を梳かす気にもなれない。
おはようって言えなかった。
おはようって言ってもらえなかった。
このことがこんなに辛いなんて。
私はカバンを持って、紺くんの後を追うように部屋を出た。