「大好きですよ!伸太郎くんのこと」
……はい?
廊下を歩いていると聞こえてくる声。
そっと階段の踊り場を覗き込むと、初と七海が立っていた。
「俺も」
え?は?
ちょっと待って、なんで初、七海に告白してんの?
なんで七海はそれを受け入れてんの?
もしかして、初みたいに日々の愛情表現ができてないから愛想尽きたとか……?
何してんの?って乗り込もうと前のめりになった身体も、そう考え始めたら引っ込んでしまう。
俺は黙ってその場を去ることしか出来なかった。