俺が、好きになっちゃダメ?


翌日。
いつも通り過ごしていると、ドアが、コンコン、と鳴った。



「どうぞ!」



また、木嶋くんかな。
ガラガラガラ、ドアが開いて出てきたのは木嶋くん……ではなかった。



「毛利先輩、お久しぶりです……」



「み、美雪ちゃん!?」



ラベンダー色のファーコートを身にまとった、美雪ちゃんだった。



「その、お身体はどうですか?」



コートを脱いで軽く畳みながら、美雪ちゃんは聞く。



「おかげさまで、順調に回復してきてるよ」



「よかったです」



美雪ちゃんは、ふんわりと笑った。



「ここ、座ってていいよ」



わたしはベッドの近くにある、丸い椅子を指さした。



「ありがとうございます」



美雪ちゃんはお礼を言ってから、その丸い椅子に腰掛けた。

結んでいない髪の毛、コートの下にはこれまたあたたかそうな茶色いニットワンピース、わたしは普段美雪ちゃんが部活を頑張っている姿しか見ていなかったので、こういうオフの日の格好を初めて見たのだから、すごく新鮮で思わず目を見張ってしまう。



「毛利先輩、わたし、知ってたんです。毛利先輩と木嶋先輩は、ただの同級生ではないって」



「え、ただの同級生だよ?」



「裏の話ですよ。表ではそうでも、感情です。感情は、ただの同級生とは違った思いを抱いているだろうなって思いました」



……これ以上、隠してもダメだ。
玲が亡くなってからも、当然男の子と関わることはあったけれど、今まで玲以外と話した男子とは違う感情が、木嶋くんに対してあったことは、自覚はしていた。