俺が、好きになっちゃダメ?


わたしは、てっきり木嶋くんがお見舞いに来てくれるのは1日くらいかと思っていたが、その予想はまるで外れだった。

次の日も、次の次の日も、木嶋くんは学校帰りに病院に来てくれた。



「ねぇ、木嶋くん……。こうして、わたしのところに来てばっかで大丈夫……?」



木嶋くんが優しい性格なのは分かるけれど、目を合わせれば合わせるほど胸がツキン、ツキン、と痛む。



「なんで? もしかして部活のこと心配してんのか?」



「そうじゃなくて……。デート、とか……」



「は?」



木嶋くんは、思いきり面食らった。



「だから、デートだよ。美雪ちゃん、不安になるんじゃない?」



「え? み、美雪? 直原のことか?」



木嶋くん、まだ美雪ちゃんのことを直原って呼んでるんだ。
別に誰がどう呼ぶかは自由だけど、恋人になれば結構呼び方を変えることがよくあると聞いたことがあるし、もともと苗字で呼び合っていたのであれば、尚更な気がしたから。



「その、さ。告白、されたんでしょ?」



「なんで、それを……」



「噂で、聞いたの。美雪ちゃんが、木嶋くんに告白したって……」



「うん。あれ、本当だけど……」



「だったらどうして美雪ちゃんとデートすること考えてないの?」



「だって、恋人じゃねぇもん」



「……え?」



今度は、わたしが面食らう番だった。



「振ったんだよ。確かに、直原はいい奴だけど、でも恋愛とかではないんだ」