「え?」
「多分だけどさ……。お前の彼氏は、お前に最後の別れをしたかったんだよ」
「最後の、別れ?」
「毛利と彼氏は、何も言わないで突然離れ離れになったんだろ。だけど、毛利も彼氏の方に行こうとした。……けど、彼氏は毛利だけは自分のところに、まだ来たらダメだって思ったんだよ」
冷静な口調のまま、木嶋くんは話し続けた。
「それを伝えるために、あの時できなかった別れを、するために夢の中で出てきてくれたんだろ。毛利は……夢の中とはいえ、彼氏と一度だけの再会を果たせたんだよ」
「玲と、一度だけの再会……?」
「少なくとも、俺はそう思う。毛利が彼氏を愛していたように、彼氏も毛利を愛していたってことだろ」
そう言って、木嶋くんは持参してきた水筒の蓋を開けて飲んだ。



