玲は、お父さんの仕事の都合で遠くに引っ越すことになってしまった。 それでも、メールのやりとりは欠かさなかった。 けれど、中学1年生がもうすぐ終わる、3月のこと。 『雫っ』 お母さんが慌ただしく、わたしの部屋に入ってきた。 『お母さん?』 『玲くんがっ、玲くんが!』 お母さんは言葉を紡ぎきれずに、わっと泣き崩れた。 『お母さん、玲がどうしたの?』 そこでわたしは、知った。 玲が、自殺したということを。