いつの間にか、わたしは知らない場所に立っていた。
ここ、どこなんだろう。今、何時なんだろう。
紺色の空に、金色の月が浮かんでいる。
ん?
なんだか変だなぁ。視線が、いつもより少し低い。
なぜか、腰のあたりではあの時いつもかけていた、グレーの猫のポシェット。
手を見てみると、やっぱり少し小さく見える。
……視線が低いのって、これはまさか気のせいじゃない?
でも、おかしいよね……?
どうして、わたしは今小さくなっているの……?
後ろで人の気配を感じ、わたしは振り返ってみる。
「玲っ……!」
優しく口角を上げた、玲の姿があった。
そうか、玲が今ここにいるってことは、わたしも、もう死んだってことなんだね。
わたしは、玲に会えたんだ。
「玲!」
呼んでみるけれど、玲の口角を上げているその口元は開かない。



