海へと到着した。
周りは、闇色。
偶然にも、今日は曇りだ。
闇色の世界だからではなく、本物のグレーの雲が空の代わりに広がっている。
闇色の世界の海は、青ではなくて真っ黒だ。
玲は、勇気を振り絞って自ら命を絶ったんだ。
だから、わたしも勇気を振り絞って、この真っ黒い海に飛び込む。
わたしは、目を閉じてゆっくりと海へ入り込んだ。
足元から、上半身へと、どんどん海に体を冷やされていく。
とうとう、頭まで海に入り込んだようだ。
当然息はできないし、寒かったけれど、もうなんでもよかった。
溺れる苦しさの中、わたしの心には、玲に会いたい気持ちしか残らなくなった。
わたしは、意識を手放した。
何か声が聞こえてきたけれど、海の中にいるわたしは、誰なのか確認することもできなかった。



