「どうしたんだよ……早くあっち行けよ」
ぼうっと、海の方を見ているわたしを見て、彼はそれしか言わない。
玲は、海であの世に行ったんだ。
ふは、と口から笑いが溢れた。
そうだよね、もうこの人に何を言っても玲は帰ってこない。
玲の代わりなんて、いない。
玲のいない、こんな闇色の世界にいたくないのであれば……
わたしも向こうに行けばいい。
「そうだね……。じゃあ、わたしも行くから」
その言葉を聞いたモリシタ イオリは、勝ち誇ったように笑みを浮かべた。
「良かったな、これでお前はあいつと一緒だ。俺に感謝しろよ」
「うん、それだけ“は”ありがとう」
わたしにお礼を言われると、彼はより嬉しそうにニヤリと笑った。



