トイレに行こうと廊下に出ると、同学年の噂話が大好きな女の子達がはしゃいでいたのが目に入った。
「ねぇねぇ大ニュースだよ聞いて! 木嶋くん、昨日告白されたらしいよ!?」
……え?
木嶋くん?
木嶋くんといえば、彼以外に思いつかない。
少なくとも、同学年には木嶋という苗字の人は2人もいない。
「え、嘘ー? あいつが? でも分からなくはないわー、スポーツできるし、意外と顔もいいし」
「相手は誰!?」
「同じ部活で、後輩の直原さんって子だって」
直原さん。
しかも、同じ部活。
当てはまる子は、1人しかいない。
「あぁ、直原美雪ちゃんって子か! あの子、小動物みたいでかわいいんだよねー」
「で? 木嶋、なんて返したの?」
「それがそこまではまだ分からないのよー」
「あー、でもあり得るよね。同じ部活だもん! ずるくない? 青春してて」
「ねー」
息が止まったような感覚だった。
木嶋くんと、美雪ちゃんが……。
なんでだろう、なんでこんな気持ちになるんだろう。



