ロミオの命と一緒に、わたしと木嶋くんの当てる電気が静かに消え、わたし達の劇が終わり、拍手が鳴り響いた。
あれから頭がぼうっとしてしまったため、その間に後夜祭も終わっていた。
「お疲れ、雫」
教室内でクラス全員で写真を撮った後、肩をポンと叩かれた気配と同時に、夏芽の声が聞こえた。
「あぁ、夏芽もお疲れ」
「いやー、終わっちゃったね」
明日から、またいつも通りの学校生活に戻るのか。
「って、あっ! いけない!」
スマホを見ていた夏芽が大声を出したので、わたしは思わずビクッと体を震わせてしまった。
「どうしたの?」
「ごめん雫! 今日、親から後夜祭の後にすぐ帰ってくるよう言われてたんだった! じゃあね!」
夏芽はそう言って、大急ぎでバッグを持って教室から去って行った。
「毛利、大丈夫そう? 熱ない?」
後ろから木嶋くんがやってきて、いきなりその質問をしてきた。
「……へ!?」
「いや、ずっとぼーっとしてるように見えたし……今さっき気づいたけど、顔も赤いし」
「えっ、嘘……」
確かにちょっと顔が熱いかもしれない。
ぼーっとしたのは、ロミオとジュリエットのことなのは分かっているけれど、顔が熱いのは絶対上手く言えない。
かといって、ぼーっとした理由を話して重い雰囲気にもしたくない……。
「大丈夫! ありがとね、心配してくれて。それじゃあね」
わたしは、その後逃げるように帰ってしまった。



