「木嶋先輩と毛利先輩、よく仲良くしているところが見えてたので。一体、どんな人なんだろう、木嶋先輩と仲がいいなら、きっといい人なんじゃないかなぁと思ってまして……」
説明を聞けば聞くほど、ピンク色の頬をして、口をもごもごさせる美雪ちゃんの姿がとってもかわいく見えた。
「あ、なぁんだ。そういうことだったのかぁ」
「わたし、興味ある人にはぐいぐい行っちゃうところがあるというか……」
あの時、木嶋くんにあんな風に話していたということは、美雪ちゃんが人懐っこくて可愛らしい性格をしていたのが理由だったんだな。
なんだか、変な目で見てしまった自分が情けなく思えてくる。
「今日、確かサッカー部の練習あるんじゃなかったっけ? 行かなくていいの?」
「今は休憩時間なので、大丈夫なんです! 毛利先輩は自習室利用するために学校来るんじゃないかなって思ってて、だからはやく会ってみたかったんです。ごめんなさい、ストーカーみたいですよね」
美雪ちゃんは、そう言って照れ笑いした。
「あっ、もうすぐ練習だ! 失礼しますね!」
「うん、頑張ってね」
わたしは、ぺこりとお辞儀をする美雪ちゃんに、ひらりと手を振った。



