「どうしたの、雫。顔が赤いけど」
夏芽の言葉で、ハッと我に帰った。
「ううん、なんでもない」
「熱でもあるのか?」
木嶋くんも、不安そうに顔を覗かせてきている。
「ううん、ない」
「そうなの?」
「まあ、無理は絶対しないようにな?」
「うん、ありがとう!」
2人からすれば、本当のことを話してほしいんだろうけれど、これは2人の前で話していい内容じゃないんだ。
「暑いなら、そうだなぁ。かき氷でも食べる!?」
「ああ、いいねいいね! 食べよ!」
夏芽の言葉に、勢いよく立ち上がるわたし。
木嶋くんも、そっと微笑んでかき氷の屋台へとみんなで行ってそれぞれ注文した。
木嶋くんはブルーハワイ、夏芽はレモン、わたしはいちご。
「やっぱり夏といえばこれだよねー」
夏芽が勢いよく、レモンのシロップがかかった氷を頬張る。
「うん、いけるいける」
「おわっ、びっくりした!」



