ちょっぴり下手くそな字で書かれたその手紙には、玲の気持ちが溢れていることが再確認できた。
「雫、圭志くん!」
聞き覚えのある声が、わたしと圭志の名前を呼んだ。
「あっ、夏芽」
赤ちゃんを抱いた夏芽と、その旦那さんが近づいてきた。
今日は、4人で海に行く約束をしていたのだ。
夏芽は仕事先で出会った人と結婚し、元気な男の子を産んだ。
名前は、悠生くん。
遠い遠い未来でも、悠生くんが生まれてきてくれた感謝の気持ちをいつまでも忘れないようにという気持ちを込めてつけた名前なんだって。
幼くして両親を亡くした夏芽は、義理のご両親によくしてもらっているようで、爽やかな白と青の縞模様のロンパースは、旦那さんのお母さんの手作りなんだとか。
「あっ」
圭志が、自分のスマホを見て声を上げた。
「どしたの、圭志?」
「なぎちゃんがさ、プロポーズ成功したってさ」
「胡桃くんが? それはおめでたいね!」
夏芽が、顔をほころばせて言った。
胡桃くんも、職場の後輩の人と1年前から付き合っていると聞いたけれど……。そうか、胡桃くんも結婚するのか。
みんな、好きな人と幸せになれるんだね。



