「……そうだよね、それは雫にとって難しい判断だったね」
夏芽の言葉に、わたしは小さくこくりと頷いた。
わたし達が付き合ったという報告をした後、圭志と胡桃くんは、部活の先輩から突然の呼び出しがあり、2人ともそのまま学校へ行った。
「でも、玲くんのことが大好きでも、木嶋くんのこともどうしようもないくらい好きだったってことね」
わたしはまた、小さくこくりと頷いた。
両手にきゅっとした感触を感じ、見てみると夏芽は自分の手でわたしの両手をそっと包み込んでくれていた。
「雫はちゃんと、玲くんを信じられたね! その調子で、これからも玲くんを信じれば大丈夫。玲くんは、絶対雫に幸せになってほしいって思ってるはずだもの!」
でもそれは、それくらいわたしの周りにはたくさんいるということだ。わたしが玲を大好きであるということを分かってくれて、それでいて幸せを願ってくれる人が。
「玲くんのことを忘れないでいるのも大事だけど、木嶋くんと両思いになれたことも奇跡。出会えた感謝を忘れないでいけば、必ずいい方向に行けるよ」
「そう……そうだよね夏芽!」
「ねぇ夏芽。玲や圭志のことは恋としてだけど……夏芽のことは、友情として、大好きだからね」
「ふふっ、何よ急に。友情としてなのは分かってるけど、面と向かって大好きなんて言われたら、なんか恥ずかしいよ」
夏芽は、くすぐったそうに笑いながら言った。



