「あの時だって、今だって、俺は毛利が好きだからだよ」
毛利の瞳が更に大きくなった。
「本当に、ダメじゃなかったんだな?」
俺は、はっきりとした口調で聞いた。
「本当に俺が、好きになっちゃダメじゃなかったんだな?」
さっきよりも少し大きめの声で、俺は尋ねる。
「う、うん……」
唇をキュッと引き締めて、毛利は頷いた。
「わたしも、好きになっちゃダメじゃない?」
「ダメな訳がない。これから先ずっと、毛利……雫は、俺を好きになっちゃダメな時なんて来ない」
「き……圭志」
俺は、雫の白い手を握りしめた。
……身体機能が完全に回復しきっていないのか、雫の手の冷たさが、俺の熱を奪っていく。
まだ危ない状態だろうに、こんな場所に来るなんて無茶なことをしていたんだな。
けれど、そんな雫が誰よりも愛おしかった。



