直原も、毛利の病室へ行ったのか。
知らなかった。
俺に告白を断られた直原は、気付いていた。俺が毛利を好きであることに。
そんな直原が、毛利の病室へ行ったことを今ここで始めて聞いて、少し驚きではあったけれど、聞いている感じを見たら、直原は毛利に対して嫉妬心をぶつけたわけではないようで、少し安心した。
「もし、木嶋くんがわたしを助けていなかったら……そのことにも気付けなかった。気付けないまま、わたしは意識を二度と取り戻すこともなくて、みんなに苦しい思いをさせてた」
毛利は、悲しそうに微笑んだ。
「あの時のお見舞いで言ってくれた言葉、返せなくてごめんね」
「いや、俺こそ急すぎてごめん」
ごめんね、と言っていることは、やっぱり俺は毛利を好きになる資格はどうやらないようだ。
ははは、そうだよな。
あんな急な告白、オーケーできるわけがない。
しかも、毛利にとっての愛している人っていうのは、亡くなった彼氏のこと。
恋愛に関して、代わりの人なんているわけがないんだから当然だ。
「あのね、木嶋くん」
「何?」



