遺書を読んでいると、気がつけば涙が頬を伝っていた。
遺書を読んでいくことで、わたしは気がついた。
わたしは、こんなにも素敵な人に恵まれていたことを。
初めてできた彼氏に、こんなに大切にされていたことを。
それがどんなに大きな幸せだったか、やっと今実感できたような気がした。
わたしへのメッセージはあるのに、書いてくれた本人はもうとっくにいない。
やがて、玲と晴ちゃんのお母さんもやってきた。
「雫ちゃん。よかったらその遺書、持って帰ってくれないかしら?」
「えっ、わたしがこれを……?」
「ええ、玲はきっとそうしてほしいと思うわ」
わたしは、無言で頷いた。
遺書を抱きしめると、玲がこの世にいない気がしなかった。
「玲、やっと雫ちゃんに、最後の想いが届いたみたいよ。よかったわね」
玲と晴ちゃんのお母さんは、仏壇にある写真を優しく見つめて言った。
わたしはそのまま、何度も頷いた。
ありがとう。玲の想い、届いたよ。
わたし、決めたよ。
もう、幸せを作ることはやめないからね。



