俺が、好きになっちゃダメ?


「友達の兄弟の話を聞いているとね、今お兄ちゃんが生きているならば、わたし達どうなっていただろうってよく考えるんだ。お兄ちゃん、どれだけ大きくなってたかなって。今頃、わたし達はどんな会話をしてたかなって。お兄ちゃん、高校受験では何を重視するのか、とか話してたのかなって」



「そうかもしれない……」



「応援しててね。お兄ちゃんの死も、雫ちゃんの頑張りも、無駄にしないよう頑張るからさ」



晴ちゃんは、玲そっくりの可愛い笑顔で言った。



「ありがとう、でもわたしのことはいいんだよ。それに……きっと、玲は天国で晴ちゃんが今言ったことを聞いてくれてるよ。将来の夢が見つかった晴ちゃんを見て、玲は今頃大喜びじゃないかな」



「そうだといいな。でも、雫ちゃんもたくさん頑張ったのは、事実だもん。雫ちゃんの彼氏の妹として、わたしが保証するよ! 天国のお兄ちゃんの願いでもあると思うから」



晴ちゃんが、とてつもなく大きく見えた。



「あと、そういえば、まだあるはずだよ」



晴ちゃんは、思い出したように目をまんまるにして言った。


読んでいた家族宛の遺書の下には、確かに玲の字で『雫へ』と書かれた封筒がある。



「読んであげて」



晴ちゃんは、優しい目をして言った。