私と貴方の秘密の一年間


 …………さっきから黙っている漢代が怖いんだけど、もしかして減給じゃなくて懲戒免職?? それはさすがにきついんだけど。それを言い放たれた瞬間、俺は本気で自殺をしなければならない。

 いや、まずは金糸雀美鈴の行動を制ししてからだな。あいつの事だから、俺が懲戒免職を受けたと知ったら死のうとしそう。

「薫」
「はい」
「その、金糸雀美鈴とやらは、幸大とはどのような関わりだったかな」
「そうですね、嫌がっている様子はありませんでしたよ。と言っても、幸大が上手く隠しているので、俺も二回くらいしか見る事が出来ていませんが。…………そういえば、今回は距離が近かったような気がする」
「…………」

 ……………………。

「目を逸らしたという事は、薫が言っていた事は本当らしい。…………無理やりではないかな?」
「…………無理やりではない。無理やり、何かをやりそうになれば終わり、俺はあいつと一切関わらない。それに、この関係も一年だけ。あいつが卒業すれば、俺達との関係も終わりだ」

 終わりにしなければならない。また、同じ過ちを繰り返す前に。今は枷があるからどうにかなっているが、この枷がなくなった場合…………。
 俺は自分がどうなってしまうのかわからず、怖い。

 あいつにも、俺は手を出してしまいそうになって、怖い。それだけは、避けなければならない。

「関係、もしかして貴様!!!」
「え?」

 何で翡翠は慌てた様子で俺を指さしているんだ? 意味が分からん。

「幸大、もしかして、もう生徒と関係を持っているのかい?」
「……………………あ」

 やべ、口が滑った。