「どうなんですかぁぁあ? 教頭先生?」
「…………九頭霧先生、この後、校長室に来なさい」
「…………え?」
「来なさい」
「……………………はい」
い、今の教頭先生の圧は誰でも断れない。だって、殺気マックスだったもん。さすがの先生も顔を凍らせて静かに頷いてる。これ以上逆らったら、さすがに殺される。
あれ、でも先生自殺は怖くないのに、今のような圧や殺気は怖がるの? もう、怖がるものなんてないと思ってた。
「では、これで失礼します。金糸雀さん」
「へ、はい」
「今回の事は、出来るだけ内密でお願いします」
「あ、はい…………」
そのまま、教頭先生は紙を手に出て行ってしまった。先生は肘起きに顎を乗せて気だるそうにドアの方向を見てる。
「…………あの、今のは?」
「ん? んー、そうだなぁ。薫とは昔からのなじみなんだよ」
「え、そうなんですか?」
「あぁ。と言っても、歳は離れているけどな」
「先生が二十五歳で、教頭先生が四十近い。確かに距離は離れてますね」
「そうだろっ――――待って?」
「あ、はい。待ちます」
「なんで俺の年齢知っているの? 俺、誰にも言っていないような気がするんだけど」
「…………イッテマシタヨ」
「…………」
先生からの視線が痛い。いや、だって。
好きな人の事は何でも知りたいと思うもんじゃないですか、知りたかったんですもん。先生のすべて。
知りたいんですもん、先生の好きな物や嫌いな物。何で自殺を生きがいとしてしまったのか、教師になった経緯とか。
先生の過去、とか。

