「……………………はぁぁぁぁぁぁぁあああ」 音楽準備室に残された九頭霧幸大(くずきりこうだい)は、美鈴を見送った手を下げずに、自身の顔に持っていき大きなため息を吐いた。その顔は手で覆われており見る事が出来ないが、黒髪から覗き見える耳は、ほんのり赤く染まっていた。 「…………まったく、あんなに可愛い反応見せられると、我慢できなくなるだろうが…………」