部屋に戻った時、ふと気になった。

「そういえば、夕希は、"世界一の結婚"をしに来たんだよね?」

「うん」

「その…社長の座とかは、狙ってない感じ?」

大半はそれが目的なはず、なんだけど。

「うん…まあ、そうだね。あんまり気にしてなかったかも」

「へ、へぇ~」

「咲花は?」

「実は私も同じ。お金には困ってないからね」

少し、ニヤって笑って続けた。

「案外、私ら合ってるね」

「…そ、そうだね」