指定されたように、私は部屋のドアを開ける。

部屋を見て、思わず「広っ」と声が出た。

さすが二人部屋。

この学園は諸事情で男女二人が同じ部屋に住むシステムになっている。

つまり、私も今日から知らない男と暮らすことになるんだ。

靴も脱がず、玄関を見るように床に座る。

それにしても、なあ~。

家から逃げるとは言え、少しやり過ぎただろうか。

…いや、良いんだ。

親が決めたレールに乗るよりかは断然ここの方がマシだ。

それにこの学園の創設者、セブンオーシャンが作ったマッチングシステム"デステニー"があれば、

私の運命の相手だってすぐに決まるだろう。

そうして、待っていたかのように、ドアノブが捻られ、ドアがゆっくり開かれる。

…その人が、私の運命の相手…。