君と、世界一の結婚を。

「あ、あの…」

そんな桜川夕希の声が聞こえ、顔を上げる

目が合った私に、桜川夕希は子犬みたいな、キラキラした目で距離を縮め、言った。

「その…僕で、いいんですか?」

…ちがう。

キラキラした目、じゃなくて。今にも泣きそうな目。

"僕で、いいんですか?"って…。

少し笑って答えた。

「うん、桜川夕希がいい」

「/////…」

だって、手離したくないんだから。

「まあ、私は3年後に、桜川夕希を連れて帰らないといけないと~婚約者コースだし~パートナー解消とかありえない、みたいな~」

「…目が泳いでる」

「泳いでないから!」

がっつり泳ぎましたけど。

「夕希、でいいよ?」

「え」

「呼び方。フルネームは言いづらいでしょ?」

「ま、まあ。……じゃあ、わたしも"さん"付け無しで」

「うん、わかった、咲花」

「///っ~」

な、なにこれ恥ずかしい…。