君と、世界一の結婚を。

あー、もうっ。

謝ろう、桜川夕希に。

その後のことは、ゆっくり考えていけばいい。

あと3年、あるんだから。

そう思って、寮に戻ろうとした時だった

「え~ウケる~」

木々の奥から聞こえる、そんな声。

ただの友達との会話…だろうか。

いや、でもそれにしては、少し馬鹿にしているような声だった。

少し、覗いて見よう。

私はゆっくりと、声のした方向へ向かい、物陰から覗く。

そこには、4人くらいの男らが1人を囲んでいた。

囲まれている人は、ひたすら下を向いていた。

そして、私はその人を知っている。

…なんで、ここに桜川夕希がいるのだろう。

「で、お前のパートナーは?」

「えっ……と…」

どうやら私について聞かれているらしい。

だけどその私が桜川夕希を突き放した後。

色々言って私は逃げ出したんだし

…言いづらい、よね。