「じゃあ、1人ずつ希望を言っていって…被ったら話し合い、みたいな感じにしよう」


岬木くんがそういうと、周りから「賛成〜」などの了承の声が多数聞こえてきた。


……でも、この空気って結構言いにくいよね。雰囲気的には硬い方だから…


そう思いながらも言えないでいると、岬木くんがそんな空気を察したのか。


「んー…、じゃあまず俺の希望を言っていいかな」


岬木くんが先陣をきった。


生徒会役員は8人いて、大体2人ずつ同じところにいたらいいっぽいけど…岬木くん、誰とやるつもりなんだろう。


…なんて他人事に思っていたけれど


「A地点で星野さんと一緒にやっていいかな?」


岬木くんが優し気な瞳で見つめる。


へぇ…岬木くんは星野さんとA地点でやるつもりなんだ………って、



「……私!?」

「うん」


驚きのあまり声にだしてしまったけど、え?本当に、私でいいんですか…?


こんな薄暗い人間を選ぶなんて、ますます岬木くんのことがわからなくなってきた。



「えっと…理由としては、学校に近いところほど厳しくした方がいいと思って。そのためには会長の俺と副会長の星野さんが一緒にやるといいかなって」


私が目をぐるぐるとしている間に、岬木くんが超事務的な理由を話していた。