「それに、これは私の問題で透子さんにも恨まれてるの…!透子さん、手段は選ばない人だから岬木くんも……」


「俺のことなんてどうでもいい。ただ、ほっとけないよ。だって星野さん——泣いてるから」


泣いて……


よく考えてみると、自分の頬に滑り落ちるような冷たさがあることが感じ取れた。


そっか私、泣いてるんだ……



「……でも、そのことなんて聞いたら岬木くん、私のこと嫌いになっちゃうかもしれない……」


「ならないよ、絶対に」



透子さんの言ったとおり、私は人殺しがなのかもしれない。


少なくとも、透子さんからはそう見えていると思う。



もう、失うのが辛いから誰とも関わらないようにしてたのに、君はいつも私の心を溶かしてくる。


むしろ、燃えさせてる。


「……教えてよ。星野さんの弱いところも全部。君だからこんなにも知りたいと思うんだ」



私の手を握りながらそう言う岬木くんを、


不意ながら「ああ、好きだな」って思ってしまった。



……なんだろう、心は痛いはずなのにすごく嬉しくて…あったかい。



“好き”って、こんな感じだったんだ…



「俺、絶対に星野さんのこと嫌いにならない。むしろこの前断られた時からむしろ思いはさらに燃えてる」