きみと繋げた雪明かり




***



何と言う1日だ……



岬木くんは小物店に入った瞬間女性店員に囲まれまくるし、映画でなかなかにアレなシーンは見ちゃうし…



…でも最後は感動したから良かったけど。



何と言う1日、といってもすごくつまらなかったと言う意味ではなくて、いい意味で充実していた。



こんなに楽しい日は久しぶりだなってくらい。



……もう4時半か。



スマホでさっと時間をチェックする。



ショッピングモールから出て、橋の上を歩いていると、丁度夕日が私たちを照らしていた。



最近ここまで晴れない日が続いてたから、綺麗……



私がそのまま夕日を眺めていると、前方の方から人がいるのに気づかなかった。



「わっ……!ごめんなさい…」



流石に橋の真ん中で立つのは良くなかったかな。


素早く謝って端っこの方に行こうとしたとき、



「…夜宵ちゃん、だよね」


「………え」



急に名前を呼ばれて疑問に思い、顔を上げると、そこには信じられないような人が立っていた。



嘘、なんで……!?



「と、うこさん………!?」


「あはは、久しぶり〜」



久しぶりに見る彼女の姿は、髪は金色に染められ、メイクもばっちりとしてそこに佇んでいた。



だけど、姿が変わっていても笑っているけど目がら笑っていないところは変わっていない。



「星野さん…?」



急に様子が変わったのを気にしてから岬木くんが私に声をかけてきた。



…でも、それが彼女には癪に触ったのか。



「……は?なに。あんなことしたのに、もう自分は男捕まえてハッピーエンド?」


「やめ……」


「いや、そう言われてもしょうがないことしたのはあんただよね?あんただけ幸せになって、アタシら一家がどれだけ辛い思いしてるかわかる?」