きみと繋げた雪明かり




『それはさ……お前が、好きだからだよ』


『蒲田くん……』



そして、気づいたら映画はクライマックスに突入していたけれど、



……まずい、普通に泣きそう。



あれから試練?みたいなのとか当て馬とか主人公が抱える過去の真実とかあったけれど。号泣モノすぎる。とにかく抱きしめたい。



…で、もここで泣いたらなんとなく気まずい。何故なら隣にさっきまでのアレなシーンを真顔で見てた岬木くんがいるから。



岬木くんって泣かないのかな…



『もう一度言う。好きだ、もう離したくない』


『わ、たしもっ……!』



あー…もうだめ無理泣く。



かなり久々に映画を見たせいで、自分がここまで涙脆いとは思わなかったけど、最初普通の王道同居モノって思ってましたごめんなさい。



なんだこの感動ラブコメはっ……‼︎




***



「…映画、良かったね」


「うん、感動したよね。最後とか」


「あれは本当にもう…」



限界オタクかしちゃってる気がする、私。


いや、だって。あの内容で感動しない人逆にいますか。シアター出る時だって鼻声の人結構いたし。



ちなみに、私はギリギリのところで踏みとどまり、なんとか涙腺を決壊させないで済んだ。



「使えるかな?一番ドキドキするシーンって………」


って…………


その一瞬、私が思い出したのは襲………じゃなくて、肌のふれあいシーン。



……なんで今アレを思い出したんだ私。



あの、肌のふれあいはとってもドキドキしましたけれども!!!それは別の意味でもあるのですよ。



それに、健全な胸キュンシーンは一応ありましたし…!



だけど、なんであのシーンが頭の中を埋め尽くすんだ。


「……すごかったね。”アレ”」


「……んなっ!?」


みみみみみみ岬木くんの口からアレ……


いや待て、落ち着くんだ。もしかしたら別のシーンのことを言っているのかもしれない。