きみと繋げた雪明かり




***



助けてくれ。



『待っ、やっ…!!』


『やだ、じゃないだろ?』


『んっ……!ち、が…っ!』



蒲田くんがヒロインの子を押し倒してあれやこれやしている。


ちなみに家は親が旅行に行っていて誰もいないらしい。夜、嫉妬した蒲田くんがヒロインの子を…お、そっているらしい。



誰だ健全そう……って言った奴。私だけれども。



とりあえず親、異性の子供を残して旅行に行くな……!!



それと、これを今隣にいる岬木くんと見ていると言う事実がなんとも言えない。



ああああああ逃げたい…‼︎



『はぁ…好きだよ、舞』


『ひゃっ……!み、耳元で、話しかけないで…っ』



あれ…これって付き合ってたっけ?



このシーンのことを考えすぎて忘れていたけど、そういえばこの前に告白してた気がする。



ならますます置いていくなっ…!付き合いたての男女を…!!



岬木くんのほうをチラッと見ると、彼は特に照れてない、と言う様子で映画を見ていた。



お、大人だ………



…って、そもそも。シンデレラにこんな破廉恥なシーンはないし、まさか結構アレなシーンがある映画だとも思わなかった…



……だけれども、



普通にヒーローもかっこいい。




悪いが、最初はただの俺様だと思ってたら、一途にヒロインのこと追いかけてるしギャップとか可愛いところもある。



当て馬の子もよくて、ある時には「もうそっちにしろよ!!!」と叫びたくなるほどだった。


そうだ、わたしは昔少女漫画好きでもあったんだった。


親友と少女漫画貸し借りしてヒーローと当て馬どっちがいいか、みたいなの語り合って気がする。



私は断固当て馬派だった。だってカッコいい。