私だけに甘いあなたと恋をする

「そーゆーとこも大好きだよ」


クスクス笑われて、嬉しいやら恥ずかしいやら…。


「――っ、今下の方から叫び声聞こえなかった?」


カナちゃんの声が恐怖に変わる。

確かに、下の階から女の子の悲鳴や走る音が階段の方から聞こえてきた。


「カナちゃん、こっち!」


足が止まってしまったカナちゃんの手を引いて走り出す。

ここは三階。

二階には宿泊棟に繋がる渡り廊下があるはず。


「しょっ…小学校の頃っ」


「うん」


「休み時間にっ…やってた鬼ごっこって」


「うん」


「こんなに」


「怖くなかった、よね…」


お互い息を切らしながら、全速力で階段を駆け下りる。