私だけに甘いあなたと恋をする

「運動場隠れるところ少なそうだから、建物の中入ろ」


カナちゃんの背中を押して研修棟に向かう。

昨日座学研修があった大ホールは、机も椅子も全部片付けられていて。


「何にもないね」


「こんなとこに居たら、一瞬で見つかっちゃう」


さっき鳴ったチャイムがスタートの合図だから、もう鬼が動きだしてるだろうし。

いつここに鬼が来るかも分からない。


「中ホールや小ホールも見に行ってみよ」


「うん」


へへっとカナちゃんが笑う。


「どうしたの?」


「まゆちゃんって、可愛いだけじゃなくて頼りになるね」


「うえっ?!」


予想もしてなかったことを言われて変な声が出た。